営業規制, 法令違反処分, 監督行政機構, 風営法の歴史

取締法から適正化法へ

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風営法は昭和59年の法改正までは「風俗営業取締法」という名称でした。
改正後は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に名称を変え、新たに第1条に法律の目的が記載されました。風営法の目的とは、


風営法第法1条
この法律は,善良な風俗と清浄な風俗環境を保持し,及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため,風俗営業及び性風俗特殊営業等について,営業時間,営業区域等を制限し,及び年少者をこれらの営業所に立ち入らせること等を規制するとともに,風俗営業の健全化に資するため,その業務の適正化を促進する等の措置を講ずることを目的とする。


つまり、風俗営業などの営業が風俗環境と少年の健全育成に悪影響を及ぼさないようにするためのルールを定め、公安委員会(警察)が指導監督するということです。

風俗営業の歴史を振り返ってみれば、かつて行政側には、性風俗を積極的に容認して特殊地域に封印することで、取締りの効率化を図りたいという意図が濃厚にありました。
性風俗をあまりに厳しく取り締まってしまうと地下にもぐりこんでしまい、かえってコントロールしにくいと考えたからです。

しかし、戦後は売買春を公的に認めることができなくなりながらも、完全撲滅は困難であるという認識から、性風俗はそれまでどおり一定の場所(旧赤線地帯)に限って黙認し、それ以外の場所で行われる性風俗を規制するため、許可制の風俗営業を設けました。

風俗営業は、特殊地域に限定されず一定の要件(用途地域や特定の施設からの距離等)が備われば許可を得て営業できますが、卑猥なサービス等が禁止されます。

風俗営業は、社会にとって必要な存在であるが油断をすると風俗環境を乱したり売春営業に移行するおそれがある営業と考えられ、行政庁が「業務の適正化」に積極的に関わるために許可制にするという意図です。

性風俗営業が「特殊飲食店」などのように飲食店等を隠れ蓑にして行われやすい点に着目して、接待飲食店等を風俗営業許可の対象に盛り込んでいます。

風営制度では、特殊地域でのみ許される性的サービス営業(かつての貸座敷や遊郭等に相当する)を「性風俗関連特殊営業」とし、届出義務と一定の法令遵守義務を課しています。現在では風営法では、性や売春だけでなく、賭博行為の防止、青少年の保護育成という目的をもふまえた制度になっています。

また風営法が「取締法」から「適正化法」に移行したことにより、公安委員会は健全営業のため、行政処分による指導や営業停止など、事案に応じた適度で柔軟な権限行使が可能となりました。