ルールを守って死んだ裁判官

戦後の食糧難の時代の話。

当時は食糧管理法によって米が配給制となっていましたが、配給米だけでは国民は生きてゆけないので、政府の管理下にない、いわゆる「ヤミ米」が流通していました。

条文を確認していないのですが、ヤミ米を購入することは刑事罰の適用があったのだとか。
ヤミ米を買ったという理由で、食糧管理法違反により刑事裁判になったりしたのですが、そもそもヤミ米を食べなければ生きてゆけない。

そういう時代だったのですが、では、ヤミ米を勝った人を裁く裁判官はヤミ米を食べなかったのか。

いや実は食べていたのだそうです。
しかしそれでは裁判官としての良心が許さないということで、ヤミ米を食べないで栄養失調で亡くなった裁判官がいました。

山口良忠さんといいます。
享年33歳。

私がコンプライアンス研修でよく取り上げる人です。
ルールを守るために命をかけた人もいた、という話をするうえで重要な人だからです。

あなたにどんなときに、ルールを無視しますか?

社会人の皆さんにこんな質問をするんです。

どんな答えがかえってくるでしょう。

「バレなけれ無視します」

たいていはこうなりますが、そこで止まってしまっては困るのです。

山口さんのような人が一人いた日本と、一人もいなかった日本では、何が違うのか。

それは、山口さんのような人の存在を知って、我々がどう思うかですね。

ルールを知っていても、ルールとどう向き合うかを判断できなければ現実には意味がありません。

この人の死が、その後の世の中にどんな影響を与えたか。
ちょっと調べていただければ、いろいろ情報が出てきます。