飲食店営業

飲食業界が知らない風営法違反のこわさ

飲食店が風営法に違反している場合

  • 一般的な居酒屋、スナック、バーのほか、ワインやカクテルなどを提供しているカフェ、カラオケボックス、において、夜10時に高校生の客がいた場合。
  • ネットカフェで未成年者に景品として缶ビールを渡した場合。販売だけでなく、景品や賞品として渡すことなども風営法では禁止されています。全ての飲食店が対象です。
  • 夜0時過ぎにカラオケ店の店員が客引きをしていた場合。
  • 深夜営業の飲食店のうち、店内の照度がとりわけ暗いバー、個室が9.5㎡以下の広さしかないカラオケボックスやネットカフェ

これらの風営法違反は、社交飲食店(風俗営業)の場合であれば、警察は注意や警告なしに逮捕、罰金、営業停止に持ち込むのが普通ですから、普通の飲食店でも、ある一定の状況が生じれば、このような取り締まりを受けることはありえます。

ここで言う「ある一定の状況」については簡単には説明できませんが、いろいろなケースがあるということにしておきましょう。

実際のところ、普通の飲食業はこのような厳しい対応をされるケースが少なかったのは事実ですが、最近は外国料理店、居酒屋チェーン、ネットカフェ等での摘発事例が増えてきています。

こういったリスクを回避するうえで重要なことは、風営法などの法令を理解することは当然ですが、それだけではなく、より総合的な視点を持つことが重要です。

ともかく、飲食業が多様化し、いろいろな形態の設備やサービスが生まれているため、飲食業は風俗営業やバー営業との区別が徐々にあいまいになってきていますので、ユニークな飲食店ほど違法営業となるリスクが高まっています。

風俗営業者や性風俗営業と違い、普通の飲食業界の方には、風営法のリスクの怖さが理解されにくいようです。

無警告で突然逮捕・捜索される風景は、風営法違反においてごく普通の出来事です。一度警察沙汰を体験してみないとわかってもらえない。というのが私の経験から得た感想です。

従業員は法令違反リスクを認識していない?

私は新社会人向けにコンプライアンスやリスク管理の研修を行うことがあります。

社会に出たばかりの人たちに伝えたいことは、リスクの軽重を冷静に判断して欲しいということです。

たとえば、こんな話をします。

一番大切なものは人の命です。朝寝坊して遅刻しそうになっても、あせって事故を起こすようなことがありませんように。遅刻しそうなときは、ゆっくり通勤して上司から叱られればいいのです。

人の命や健康にかかわる失敗だけは絶対に避けてください。ルールよりも人の命の方が大切なのです。

これが私のコンプライアンス研修です。若者に法律の話をしても、眠くなるだけのことです。

さて。研修の際に、若者にこういう質問をよくします。

「あなたが居酒屋の店員だったとします。19歳の客がビールを注文して、あなたはその客にビールを渡しました。それは法律違反ですが、あなたはどんな責任を負うと思いますか?」

なんと答えると思います?多くの若者がこう答えます。

「会社に迷惑をかけてしまいます。そうならないよう注意します。」

何が問題か、おわかりですか?

もし、その19歳の客が飲酒をした後、バイクにのって事故を起こし、死亡したとします。

警察は捜査して、その少年がどこでビールを飲んだかを突き止めます。

その後、逮捕されるのは誰ですか?

若者の多くは、会社のために仕事をしているのだから、法律に違反しても自分は逮捕されないと思っているのです。

「知らなかった」で済むし、自分だけは助かると思っているのですから、そういう気分の若者が「注意します」と言ったところで、アテにならないということです。

新社会人に伝えるべきことの中で、これ以上に重要なことって、何があるのでしょうか。

 

飲食店営業の規制