風俗営業(接待等飲食店営業), 風俗営業許可を取得する方法

風俗営業許可取得(社交飲食店の場合)までの流れ

風俗営業の社交飲食店(1号)を開業する場合の手順の流れ

を10段階にまとめました。
遊技場やパチンコ店営業の場合のことは「ホールの法務」をご覧ください。

以下の順番に説明します。

①営業する主体は個人か、法人か
②関係人全員の人的基準はクリアできているか
③どの風俗営業を行うか
④営業所をどこに置くか
⑤営業方法を決める
⑥食品衛生法の許可取得を検討
⑦入管法の許可の取得を検討
⑧店舗の構造設備について検討
⑨許可取得までの課程について検討
⑩実際にオープンできる準備を 

 

①営業主体は個人か、法人か

個人事業主でも風俗営業の許可は取得できます。しかし、事業主が死亡すれば原則として許可は失効します。ただし、期間内に公安委員会から相続承認を受ければ相続人に許可営業を承継することは可能です。

・個人事業で許可を取る場合のメリット

個人事業者の許可申請は、法人の許可申請に比べて手続に必要な書類や手間が少なくすみます。法人の場合はその法人の代表者のみならず取締役・監査役の全員について人的基準をクリアしなければなりませんので、許可取得の要件が比較的厳しくなります。さらに、商号変更、本店移転、役員変更の際など、変更届出手続の頻度が個人事業に比べて多くなります。

・個人事業で許可を取る場合のデメリット

一度個人で許可を取った後で、やはり法人に名義を変えたいとか、第三者に営業を譲渡したいと考えた場合には、一度個人としての許可営業を廃止して、改めて新規に法人としての許可を取得したり、第三者の名義で許可を取得しなおさなければなりません。許可を取り直すときに、周囲にいつのまにか保護対象施設ができてしまって許可が取得できないということも可能性としてありえます。また、個人事業者自身が死亡してしまった場合も、相続承継の場合を除き、営業を廃止するしか方法がありません。ですから、長期経営が見込まれるのであれば、法人で許可を取得することをおすすめします。営業を譲渡する際には、法人の分割や合併の際に営業の承継を承認する制度があります。

 

②関係人全員の人的基準はクリアしているか

個人営業であれば申請人自身と管理者について、法人であれば法人の役員全員及び管理者の全員について、人的基準をクリアしているかどうかを検討します。

主に次にあげる事項に該当する人がいる場合は許可を取得できません。

(詳細は法令をご参照ください。)

・成年被後見人又は被保佐人及び成年被後見人とみなされる者、 被保佐人とみなされる者

・1年以上の懲役、禁錮に処せられ、又は無許可風俗営業、刑法の猥せつの罪、 売春防止法、 児童買春、 児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律、 職業安定法、出入国管理及び難民認定法、労働者派遣法、労働基準法、 児童福祉法違反で1年未満の懲役、罰金に処せられて5年を経過しない者

・集団的、常習的に暴力的不法行為を行うおそれのある者

・アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者

・風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない者

・法人の役員、法定代理人が上記の事項に該当するとき

 

③どの風俗営業を行うか

風俗営業は5種類に分類され、それぞれに許可要件が異なります。5種類のうちの一つを選んで許可を取得します。もしかすると、性風俗関連営業や深夜酒類提供飲食店の方が相応しい場合もあります。それぞれの営業上の要件や規制内容を検討して慎重に選んでください。

④営業所をどこにおくか

営業所を決める際には、場所の要件について慎重に検討してください。 その地域の条例によって営業できる場所の要件は異なります。 学校、図書館、診療所、児童福祉施設、公民館などのほかさまざまの施設、それに用途地域も関係します。
許可審査の時点が基準になりますので、店舗契約の前に確認しておく方がよいでしょう。かつて風俗営業をしていた場所だからといって調査を怠ることは危険です。後から診療所等が近所に作られていたということはよくあります。なお、商業地域の方が場所的制限が比較的緩やかになるケースが多いです。
もし居抜きで店舗を賃借する場合であれば、許可取得を条件とする賃貸契約にしておくと多少は安心です。また、賃借の場合は所有者に対して営業内容を説明して風俗営業の許可を取得する際に協力してもらえることを確認しておきましょう。許可申請の際に、使用承諾証明書を添付できずに困るケースがあります。
なお最近の条例では保護対象施設の「用に供する土地として決定されたものを含む」といった意味の規定のある都道府県が多くなっています。まだ現実に施設が設置されていなくても、1年後に開設が決定されているというだけで保護されてしまうのです。
どんなに注意しても、最終的に許可されない可能性があることを認識しておくべきでしょう。

⑤営業内容を決める

営業所の名称、営業の方法、営業時間、飲食を提供するかどうか、外国人ダンサーを使用するかどうか、使用人の人数、使用する設備、管理者等を決めます。

⑥食品衛生法の許可の取得を検討

風営法以外の法令についても検討が必要です。例えば、飲食を提供するのであれば保健所から食品衛生法の許可を得ることが必要ですが、この場合は風俗営業許可申請前に許可を取得して風俗営業許可申請書に食品衛生の許可証の写しを添付するよう求められることがあります。
食品衛生法の許可には設備等の基準があり、設備の検査を受けてから許可が交付されますので、数日から場合によっては2週間程度の時間がかかることがあります。特に食品衛生管理者の講習を受ける必要がある場合には早めに準備しましょう。

*厚生労働省(食品衛生法概要)

⑦入管法の許可の取得を検討

外国人ダンサーを使用する場合には入国管理局からの許可が必要になります。入国手続はプロモーターが手配しますが、興業する店舗の構造上の基準等さまざまの注意すべき要件がありますし、風俗営業許可申請書の控えを入管に提出するよう求められることがありますので、風適法だけでなく入管法にも配慮して営業計画を練ってください。特に、ステージと更衣室の面積は問題になりやすいですので、プロモーターと相談して周到に計画してください。

⑧店舗の構造設備について検討

風俗営業の各業種ごとにクリアすべき構造設備の基準が定められています。客室面積は足りているか、ステージの面積は足りているか、客室内の見通しを妨げる高さ100センチ以上のものはないか、照明設備は充分で調光設備が存在していないか、騒音で近隣に迷惑がかからないか、外部からの見通しができないようになっているか、といった様々な点について検討してください。

⑨許可取得までの課程について検討

許可申請においては店舗の平面図を添付します。この平面図においては、現実の内壁の寸法を基準に実測する必要があるので、原則として許可申請前に店舗の内装工事が終了していなければなりません。許可申請後1,2週間で店舗の検査があります。そして許可が実際に取得できるまでは営業を開始できません。
実際に営業開始に至るまでのスケジュールを立てておく必要があります。工事を行う場合は、スケジュールは余裕を持って立てておきましょう。公安委員会は許可交付の日程を教えてくれません。許可申請に必要となる添付書類は、公的証明書については発行後3ヶ月以内のものに限られますが、早めに準備をしておく方がよいでしょう。必要書類については地域よって、またはケースバイケースで異なってきますので、柔軟に対応してください。

⑩実際にオープンできる準備を

飲食のメニュー表やサービス料金表、18歳未満立ち入り禁止のプレート等は早めに設置しておきましょう。イスやテーブル、遊技機もオープン時の状態で設置しましょう。許可申請後に設備や遊技機等を変更するのは問題です。許可申請をする際には事前に所轄警察署の担当者に電話等で相談しておくことをおすすめします。

※18歳未満の者に接待等をさせる行為は違法です。従業員の年齢チェックは厳格に行い、必ず従業員名簿に必要事項を記入してきちんと管理してください。

おわり