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娼妓取締規則(明治33年)
第一条
18歳未満の者は、娼妓たることを得ず。
第二条
娼妓名簿に登録せられざる者は、娼妓稼ぎをなすことを得ず。娼妓名簿は、娼妓所在地所轄警察官署に備えるものとす。娼妓名簿に登録せられたる者は、取締り上警察官署の監督を受けるものとす。
第三条
娼妓名簿の登録は、娼妓たらんとする者自ら警察官署に出頭し、左の事項を具したる書面を以って、これを申請すべし。
一、娼妓となるの自由
二、生年月
三、同一戸籍内に在る最近尊属親、尊属親なきときは実母、実父母なきときは実祖父、実父母、実祖父なきときは実祖母の承諾を得たること。
五、娼妓稼ぎをなすべき場所。
六、娼妓名簿登録後に於ける住居。
七、現在の生業。ただし他人によりて生計を営む者はその事実。
八、娼妓たりし事実の有無、並びにかつて娼妓たりし者は、その稼業の開始、廃止の年月日、場所、娼妓たりしときの住居及稼業廃止の理由。
九、前各号の外、庁府県令を以って定めたる事項。
前項の申請には、戸籍吏のつくりたる戸籍謄本、前項第三号第四号の承諾書、及び市区町村の作りたる承諾者印鑑証明書を添付すべし。娼妓名簿登録申請者は、登録前庁府県令の規定に従い、健康診断を受くべきものとす。
第四条
娼妓稼ぎを禁止せられたる者は、娼妓名簿より削除せらるるものとす。前項の外娼妓名簿の差k所は、これを申請するものとす。ただし未成年者にありては、前条第一項第三号、第四号に掲ぐる者よりも、これを申請することを得。
第五条
娼妓名簿削除の申請は、書面または口頭を以ってすべし。前項の申請は、自から警察官署に出頭してこれをなすにあらざれば、受理せざるものとす。ただし申請書を郵送し、または他人に託して差し出す場合に於いて、警察官署が申請者自から出頭することあたわざる事由ありと認むるときは、この限りにあらず。警察官署において娼妓名簿削除申請を受理したる時は、直ちに名簿を削除するものとす。
第六条
娼妓名簿削除申請に関しては、何人といえども妨害をなすことを得ず。娼妓は、法令の規定もしくは官庁の命令により、または警察官署に出頭するがため外出する場合の外、警察官署の許可を受くるにあらざれば外出することを得ず。ただし庁府県令の規定により、一定の地域内に於いて外出を許す場合は、この限りにあらず。
第八条
娼妓稼ぎは、官庁の許可したる貸座敷内にあらざれば、これをなすことを得ず。
第九条
娼妓は、庁府県令の規定に従い、健康診断を受くべし。
第十条
警察官署の指定したる医師または病院に於いて、疾病に罹り稼業に堪えざる者、または伝染性疾患ある者と診断したる娼妓は、治癒の上健康診断を受くるにあらざれば、稼業に就くことを得ず。
第十一条
警察官署は、娼妓名簿の登録を拒むことを得。庁府県令は、娼妓稼業を停止し、または禁止することを得。
第十二条
何人といえども、娼妓の通信、面接、文書の閲読、物件の所持、購買その他の自由を妨害することを得ず。
第十三条
左の事項に該当する者は、25円以下の罰金、または25日以下の従禁錮に処す。
一、虚偽の事項を具し、娼妓名簿登録を申請したる者。
二、第六条、第七条、第九条、第十二条に違背したる者。
三、第八条に違背したる者、及官庁の許可したる貸座敷外に於いて、娼妓稼ぎをなさしめたる者。
四、第十条に違背したる者、及第十条により稼業に就くことを得ざる者をして、強いて稼業に就かしめたる者。
五、第十一条の停止命令に違背したる者、及稼業停止中の娼妓をして、強いて稼業に就かしめたる者。
六、本人の意思に反して、強いて娼妓名簿の登録申請、または登録削除申請をなさしめたる者。
第十四条
本令の外必要なる事項は、庁府県令を以ってこれを定む。
第十五条
本令施行の際、現に娼妓たる者は、申請を待たずして娼妓名簿に登録せらるるものとす。
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