3、 風俗営業許可


許可と届出の違い

◇許可の意味

 許可営業というのは、「とりあえず禁止されている営業であって、その営業を行いたい者は、法令で定めた基準を満たした者に限り、行政庁の許可によって開始できる営業」であると言えます。許可の場合、その営業が法令の基準を満たしているかどうかの審査があって、それをパスしないと許可がでません。許可を得ていない者がその営業を行うと処罰の対象になります。

◇届出営業とは
 届出営業の場合は、その営業は「法令違反をしない限りは誰が行ってもよいのだけれど、営業を行うに際しては、行政庁への届け出が義務付けられている営業」のことでしょう。許可は行政によってお墨付きを得てからやるのですが、届け出営業は一定の書類を行政に提出するだけですから、届出したからといって、お上公認というわけではないのです。
 この違いは大きいと思いますが、世間ではなかなか認識されていません。性風俗営業で「風適法届出済」だけでなく「許可取得済み」などという看板を目にすることがありますが、性風俗に許可がでないのはもちろん、「届出済」だからといっても警察の検査を経ているとは限りません。

◇性風俗なのに届出だけでよい理由とは
 さて、それではどうして風俗営業を許可制にし、それよりもダーティなイメージの性風俗を届出制にしたのでしょうか。それは風俗営業制度の歴史と関係があるでしょう。そして、ひとことで言うならば、いかがわしい営業に対して行政がお墨付きを与えるわけには行かないという考え方があります。
 言い換えると、許可を与えられる営業は社会のためになる(国民に娯楽を提供するという意味で)営業であって、いかがわしい(健全な社会において望ましくない)営業についてはあくまで情報を出させて行政が状況を把握するにとどめるという方法につながります。
 ところが世間では風俗営業と言うと売春営業等の性風俗営業を想像しますが、風適法を知らない人たちのイメージとは異なり、法律上の風俗営業は性風俗関連営業とは一線を画した比較的まじめな営業であると言えます。
 風俗営業を適正化の目的別に考えますと、「性風俗的な営業」と「経済風俗的な営業」に別けることができます。「性風俗」は性の乱れに影響するものであり、「経済風俗」は市民の経済的破綻(これは7号)に影響します。そして風俗営業の規制の中身を見ますと、性的サービスも、また著しく射幸心をあおるサービスも、やってはいけないことになっています。

◇風俗営業と性風俗特殊営業の区別
 つまり、風俗営業そのものは、風俗環境を害するサービスを行ってはならないことになっていて、要するに風俗営業は健全な営業であるが、ちょっと油断すると、お店で性行為(売春など)が行われたり、景品の換金(賭博など)が行われたりと、そういった犯罪の温床になってしまう恐れが高い営業であると考えられています。これに引き換え、届出営業のうち性風俗関連特殊営業などの性風俗サービス提供営業については、はじめから営業の健全化、適正化が行政側から期待されておらず単に監視対象でしかないと考えることがでそうです。
 では届け出営業はどうかというと、性風俗サービス(居酒屋は別と考えてください)については、警察がどのようにチェックしようとも、その営業形態が法律スレスレまたは望ましくない営業になってしまいますから、行政指導によって適正な営業をさせることが非常に困難な営業と考えられています。例えば売春をさせるかさせないかは、サービス提供者のちょっとした判断とさじ加減にもよることですから。
 要するに、「こんな営業は事前にチェックしたところで焼け石に水だ、もうあきらめた」と行政にさじを投げられてしまったような営業だと言えそうです。もしファッションヘルスなどを許可制にしたらどうなるでしょうか。国家が売春宿を公認しているとか公娼制度復活だとか、いろいろ非難されてしまう恐れがあります。
 もちろんこれらも法律上は売春は行わないはず営業ですが、実際のところはなかなかそうも期待できません。そして取り締まりに限界があり、しかも本音では売春営業も必要悪であると(異論はあるでしょうけれども)考えざるをえないのも現状でしょうから、警察行政としては断固として許可制には出来ず、かといって売春を取り締まるためには野放しにするわけにもゆきません。
 ですから届け出制にして、情報だけを取り入れて、いざ売春などの違法な行為が目に余ったときには直ちに摘発できるような制度にしたとも考えられます。





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風俗営業許可



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 07/08/13 更新

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