親告罪のこと

親告罪とは、被害者が犯人を知った日から6ヶ月以内(期間につき例外あり)に告訴(被害者が捜査機関に犯罪者の処罰を要請すること)しないと捜査機関(検察官)が公訴(刑事裁判を提起すること)できない罪のことです。

原則として捜査機関は犯罪行為を独自の判断で捜査し、公訴できますが、親告罪では告訴がなければ公訴(裁判所に対して刑事裁判の開始を請求すること)することができません。

親告罪にはこのほかに「過失傷害罪」「名誉毀損」「親族間の窃盗又は恐喝」「非営利目的の略取又は誘拐」「強姦罪」「侮辱罪」「器物損壊罪」などがあります。

著作物を無断で利用されているかどうかは第三者にはわかりにくいことですし、著作者が自由な利用を認めている場合もありえる、ということもあって著作権侵害の多く(全てではありません)は親告罪です。

コピープロテクトを不能にするプログラムを販売する行為、引用等の際の出所明示義務違反などは公益上の必要性を含むので親告罪ではありません。

著作者死後の人格権侵害の場合は遺族が存在しない場合を想定してか親告罪ではありません。


なお著作権法の親告罪の規定を撤廃する法改正の動きがあります。

 

以下、関係条文抜粋

刑事訴訟法第二百三十五条
第一項  親告罪の告訴は、犯人を知つた日から六箇月を経過したときは、これをすることができない。ただし、次に掲げる告訴については、この限りでない。
一  刑法第百七十六条 から第百七十八条 まで、第二百二十五条若しくは第二百二十七条第一項(第二百二十五条の罪を犯した者を幇助する目的に係る部分に限る。)若しくは第三項の罪又はこれらの罪に係る未遂罪につき行う告訴
二  刑法第二百三十二条第二項 の規定により外国の代表者が行う告訴及び日本国に派遣された外国の使節に対する同法第二百三十条 又は第二百三十一条 の罪につきその使節が行う告訴

 

第百二十三条  第百十九条、第百二十条の二第三号及び第四号、第百二十一条の二並びに前条第一項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2  無名又は変名の著作物の発行者は、その著作物に係る前項の罪について告訴をすることができる。ただし、第百十八条第一項ただし書に規定する場合及び当該告訴が著作者の明示した意思に反する場合は、この限りでない。

第百二十四条  法人の代表者(法人格を有しない社団又は財団の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一  第百十九条第一項若しくは第二項第三号若しくは第四号又は第百二十二条の二第一項 三億円以下の罰金刑
二  第百十九条第二項第一号若しくは第二号又は第百二十条から第百二十二条まで 各本条の罰金刑
2  法人格を有しない社団又は財団について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
3  第一項の場合において、当該行為者に対してした告訴又は告訴の取消しは、その法人又は人に対しても効力を生じ、その法人又は人に対してした告訴又は告訴の取消しは、当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。
4  第一項の規定により第百十九条第一項若しくは第二項又は第百二十二条の二第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、これらの規定の罪についての時効の期間による。