著作権侵害の民事責任

著作権侵害は不法行為の一種

<他人に迷惑をかけたら、その損害を賠償する責任がある>
これは誰でも知っている当たり前のことですから、法律の知識がなくてもわかります。
それでも民法という法律には一応、次のようなことが書いてあります。

  • 民法709条
    故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

これを不法行為の原理といいます。不法行為の種類にはきりがなく、いろいろな迷惑行為がこれにあたりえます。現代社会では、他人がせっかくつくった価値ある作品を勝手に利用してもうけることは迷惑なこと、つまり不法行為だと考えることができます。
不法行為だから、それによって生じた損害を賠償しろと請求することができます。これは同時に著作権の侵害でもあります。著作権を侵害するということは不法行為の一種なのです。

ですので著作権を侵害された人は不法行為の原理(民法709条)をもとに、相手方に対して損害賠償を請求でき、相手方がそれに応じないときには、民事裁判手続きを経ることによって国家権力で強制的に賠償をさせることができます。

 

不法行為と著作権法の存在意義

もし自分の作品が許諾なしに利用されたときに、著作権法がなかったとしても、不法行為の原理をもとに損害賠償を請求することはできます。しかし、他人の作品を勝手に利用することが不法行為であるかどうかをいちいち説明しなければ裁判所が承知してくれないとしたら面倒です。
著作権法があるおかげで、作品を無許可でコピーすることなどが著作権侵害である、すなわち不法行為にあたるということが明らかになりますし、権利侵害になるかどうかの切れ目が著作権法に具体的に書いてありますので、解釈がわかれにくくなります(あいまいさは残りますが)。
さらに、将来著作権を侵害される可能性があるときや、今著作権を侵害されているという場合には、著作権法にもとづいて、その侵害行為を予防したり、今行われている侵害行為を停止させるなどの請求をすることが著作権法において認められています。
また、著作権法では著作権などの権利を侵害した者に対して刑事罰が定められています。

  • 著作権法第112条 (差止め請求権)
    1 著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防のための請求をすることができる。
    2  著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物、侵害の行為によつて作成された物又は専ら侵害の行為に供された機械若しくは器具の廃棄その他の侵害の停止又は予防に必要な措置を請求することができる。