絵は誰のもの? その1

旅立ち

 ランジェロは、ふかい森の奥で、画家のファイエット先生といっしょに暮らしています。

 先生は、おさないときに両親をなくしたランジェロを引き取り、毎日のように絵のえがき方を教えていました。童話の挿絵 森の家

しかしある日、ファイエット先生は自分が重い病気にかかってしまったことに気がつくと、まだとし若いランジェロに、ひとりで街に旅立つようにと言いました。

ランジェロは先生の病気のことが心配でしたし、一人で絵をえがく自信もありませんでしたが、先生は

「お前には才能がある。自分を信じて、自分が描きたい絵を描きなさい」

と言いました。
そしてランジェロは、涙をこぼしながら街へ旅立ちました。

童話の挿絵 街へ向かうランジェロ

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童話をつくった理由

この童話は、著作権制度やコンプライアンスについて、子どもたちに、そして大人たちにも、じっくり考えたり感じていただきたいと思ってつくりました。

ルールや法律は、人が人を従わせるためのものではなく、人々が豊かな社会を築くための道具です。

ルールや法律を私たちがどのようにつくり、守ってゆくべきかを、子どもも大人も、真剣に考える機会をもっと増やしてほしいと願っています。