著作権は意味を考えて使いましょう

著作権という権利は「文化の発展」のために創作者に与えた権利です。権利というものを、国家からもらったもの、たとえば商品券とか引換券みたいなものと同じような意味だと勘違いしてしまうと、「法律に権利があると書いてあるから権利を持つ自分の主張は絶対正しい」と思い込んでしまうことにつながります。たとえばこういう人がいます。

ワタシ 「怒っている理由は、何か迷惑なことをされたからですか?」
相手  「私の権利を侵害されたのです」
ワタシ 「具体的にどのような損失が発生したのですか?」
相手  「権利を侵害されたことが損失です。私にはヤメロという権利があるのでしょう?」

迷惑だから怒っているのではなく、自分の「ヤメロ!」と言う権利が侵害されたと思って怒ってしまうのです。権利は与えられたものだから、精一杯使いきらないと損だ、という感覚を持っている人がいます。しかし「権利」という言葉には「正義」に似たような意味が含まれています。その「正義」は「法律に書いてあるから」ということではなく「道理に合っている」、と考えるべきものだと思います。道理に合わない主張をするために権利を使うことはできません。たとえば民法の第一条には私法の原理として重要な次のような条文があります。

  • 民法第一条
    ① 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
    ② 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
    ③ 権利の濫用は、これを許さない。

権利には役割があるのですから、その使い方を考えて、道理に合った使い方をしなければ通用するものではありません。著作権法は誰かの欲得や個人的な都合のために存在する権利ではなく、「文化を発展させる」という目的で、権利者と利用者の関係を調整するための権利です。権利は使用・用法をよくわきまえて正しくご使用ください。