引用


著作権法では第32条で、公表された著作物は、引用して利用することができる、とされています。引用はある一定の要件を満たせば許諾なしにできることになっていますが、実際にはこの要件の線引きがはっきりしないので、とんでもないトラブルに発展しがちです。

◆一般的な引用の4つの要件

 

1、引用することの必然性

 他人の著作物を引用するからには、どうしても引用しなければ自分の主張ができないのだ、という必然性がなければなりません。その主張についても、ある程度公共性、学術性がなければなりません。「趣味のページで好きな絵画を引用する」 「単なる誹謗中傷のために使う」 「営業の企画書に引用する」というような引用は認められないでしょう。そのような場合にはきちんと許諾を取ればよいからです。 しかし、政治的、学術的な論文などでは、論戦の相手方が相手の理論や報道を妨げるために引用を許諾しない恐れがあります。そのような場合には一定の引用を認めることが、表現の自由の確保のために必要だと考えられます。

 

2、区分けがはっきりしていること

 どこからどこまでが引用部分であるのか、がはっきりしていなければなりません。カギ括弧などで、はっきり区分けしてください。

 

3、主従関係にあること

 引用された部分はあくまで付属的なものであり、本文を主とするならば、引用部分は従たる関係でなければなりません。

 

4、出所の明示

 引用部分が誰の何という著作物からの引用であるのかを、見やすいように表示しなければなりません。

 引用の基準を緩やかにしてしまうと、引用の名を借りた不当な複製を助長してしまう恐れがあります。著作者の権利を害しない範囲で、必要最小限度の範囲でのみ許されるものですが、この線引きは個々の事案によってたいへん微妙な問題です。

 

第32条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

2 国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。