再販制度と音楽CD

再販制度とCDジャッケットの標示
 著作権を主張するのにCマークがよく使われています。音楽CDにももちろん著作権が関わってきますが、ジャケットのどこを探しても例のCマークは見つかりません。かわりに LXP(再) といった記号が記載されているのに気がつくでしょう。それと 「99.3.10」 といった日付。 これらにはもちろん意味があるので、簡単に説明しましょう。

 (再)マーク、 これは独占禁止法の再販制度に関わりがあります。再販制度とは「再販売価格維持制度」の略語です。独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)では数々の不公正な取引を排除する制度が盛り込まれていますが、その不公正な取引のひとつに「再販売価格の拘束」があります。
 簡単に言うと、商品の供給元が販売店に対して販売価格を強要する行為です。たとえば、CDの製造販売元が音楽CDの小売店に対し、「このCDを何円で売らないと、おたくとは取引をしないぞ。」と持ちかけるような場合です。
 こういった不公正な取引は独占禁止法で一般的に禁止されているのですが、一部の著作物については禁止されていません。これが再販売価格維持制度といわれるものです。現在のところ、再販売価格の維持が可能な著作物は書籍、雑誌、新聞、レコード盤、音楽用テープ、音楽用CDに限られているので、ゲーム用ソフトの再販売価格を維持することはできないということです。

 

独占禁止法第2条9項抜粋

 この法律において「不公正な取引方法」とは、次の各号のいずれかに該当する行為であつて、公正な競争を阻害するおそれがあるもののうち、公正取引委員会が指定するものをいう。

一  不当に他の事業者を差別的に取り扱うこと。

二  不当な対価をもつて取引すること。

三  不当に競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、又は強制すること。

 

◎不公正な取引方法 〜 再販売価格の拘束 第12項抜粋

 自己の供給する商品を購入する相手方に、正当な理由がないのに、次の各号のいずれかに掲げる拘束の条件をつけて、当該商品を供給すること。
一 相手方に対しその販売する当該商品の販売価格を定めてこれを維持させることその他相手方の当該商品の販売価格の自由な決定を拘束すること。
二 相手方の販売する当該商品を購入する事業者の当該商品の販売価格を定めて相手方をして当該事業者にこれを維持させることその他相手方をして当該事業者の当該商品の販売価格の自由な決定を拘束させること。

 

◎独占禁止法第23条一部抜粋

 この法律の規定は、公正取引委員会の指定する商品であつて、その品質が一様であることを容易に識別することができるものを生産し、又は販売する事業者が、当該商品の販売の相手方たる事業者とその商品の再販売価格(その相手方たる事業者又はその相手方たる事業者の販売する当該商品を買い受けて販売する事業者がその商品を販売する価格をいう。以下同じ。)を決定し、これを維持するためにする正当な行為については、これを適用しない。ただし、当該行為が一般消費者の利益を不当に害することとなる場合及びその商品を販売する事業者がする行為にあつてはその商品を生産する事業者の意に反してする場合は、この限りでない。
2  公正取引委員会は、次の各号に該当する場合でなければ、前項の規定による指定をしてはならない。
 一  当該商品が一般消費者により日常使用されるものであること。
 二  当該商品について自由な競争が行われていること。
3  第一項の規定による指定は、告示によつてこれを行う。
4  著作物を発行する事業者又はその発行する物を販売する事業者が、その物の販売の相手方たる事業者とその物の再販売価格を決定し、これを維持するためにする正当な行為についても、第一項と同様とする。



音楽CDの場合
日本のCDの値段が高いのは再販制度のためだと言われています。日本を除く多くの国では再販制度は撤廃されています。しかし、規制緩和の流れや外国からの圧力などもあって、CDメーカーでは発売後2年を経過したレコード、音楽用テープ、CDについては小売業者が自由な価格で販売できるようにしました。これは時限再販といわれます。通常「(再) 01.3.9まで」と記載があれば、2001年3月9日までは再販価格で販売しなければならないことを示しています。

Lは国内盤のCD、 Xは外国盤のCDであることをしめしています。

pはレコード保護条約の加盟国で方式主義をとっている国においても著作隣接権を保護してもらうための標示です。

 

なお、最近になって輸入音楽CDに対する規制のための著作権法改正の話が持ち上がっていて、これに関連して再販制度についても論議を呼んでいます。