Q1 結婚式の映画音楽 Q2 ホームページ作成の際の注意点

 Q3 看板の写真をホームページに  Q4 着メロの著作権

 Q5 絵画の著作権  Q6 著作権登録  Q7 ネット上での音楽の利用

 Q8 CDのジャケット(外装)のデザインをホームページで利用する場合は?

 Q9 中古ビデオやゲームの譲渡(譲渡権と頒布権の問題)

 Q10 タイトルの利用 掲示板での歌詞などの部分的使用

 Q11 どこまでが複製にあたるのか  Q12 レコードのCDへの変換

 Q13 美術館で撮影した写真  Q14 塾のテキストでの試験問題の利用

 Q15 保護期間が終了した作品の音楽CDの利用  Q16 似てしまった写真

 Q17 本の表紙のネット掲載  Q18 死亡記事の無許諾配信は違法なのか

 Q19 ニュースを要約して利用  Q20、レコード盤をCDに複製

 Q21、料理のレシピは著作物なのか(著作物とは何か)

 Q22、地図の著作権と私的使用

 Q23、名前は著作物なのか

 Q24、肖像権のこと


 このQ&Aで見つからなかったときは↓
 著作権・肖像権の外部Q&Aコーナーへリンク

 基本を理解したいときは↓
 
一分間でわかる著作権法


 


Q1、結婚式の映画音楽
(演奏権について)

結婚式場で新郎新婦が選曲した映画音楽を流してもらいたいと思います。この音楽についても著作権を侵害するのでしょうか?

A, 式場が業務の一部として、つまり顧客へのサービスとして音楽を提供する場合は、著作権者(正確には演奏権者)からの許諾を得る必要があります。実際に、ホテルの結婚式場や宴会場などはJASRACとの契約により、合法的に音楽を使用している場合がほとんどです。
 個人が主催するイベントのために市販CDを用いて音楽を流す場合も、参加費をとっているのであれば演奏権者から許諾をとるべきです。 原則として営利目的で音楽を利用する場合には許諾が必要ということになります。
 では新郎新婦自身が結婚式で曲をピアノ演奏する場合もこれに当てはまるのかというと、これは難しいところです。新郎新婦にとって結婚式は営利目的ではなく、式の中で市販の楽曲が歌われたり演奏されたりしても、それが参加者自身が準備して行うことまで許諾の対象とするのは現実的ではないような気がするからで、式場管理者がサービスで曲を演奏することとは別として扱うべきではないかと思います。たとえば友人が「てんとう虫のサンバ」をアカペラで歌ったからといって権利うんぬんの話を持ち出すのは無粋だと思うのです。
 BGMとして音楽を使用した結婚式のビデオを参加者に配布する場合には、音楽を複製したものを人に渡すことになりますので、やはり許諾が必要となる可能性があります。個人的に使用する目的で複製することは良いのではないか、と思われるかもしれませんが、著作権法30条(私的使用について)は、自分が使用する目的での複製しか認めていません。他人にプレゼントするための複製は原則として許諾が必要なのです。
 しかし、こういったケースは悩むところです。有名人の結婚式でもないのですから、ごく普通の結婚式で、出席者が数十人程度の規模なのでしたら、このような場合にまで著作権者の許諾が必要だと考えるのは、行き過ぎではないかという主張もありえるからです。


 

Q2、ホームページ作成の際の注意点 (複製権、公衆送信権について)

ある本をもとに ホームページを作成するのは違法ですか? また、本に載っているアイデアをホームページに掲載するのは、違法になるのでしょうか? 

A,  本の著作権者は、その本の著作物をコピーする権利(複製権)、ホームページに掲載する権利(公衆送信権)を持っています。あなたが本の内容をそっくりそのままホームページに載せるのでしたら、本の著作権者の許諾が必要です。本の内容をヒントにして、その本とは異なった創作性のあるホームページを作るのなら問題はありませんが、たとえ文章表現が異なってもストーリーがまったく同じであると問題になりえます。本の中の文章にちょっと手を加えただけとか、「ですます」調を「である」調に変えただけ、ということでは、元の本をコピーしたのと変わりませんね。しかし、ありふれた、あまり独創性のない表現については、結果として同じ表現を使うことになったとしても、著作権を侵害したとは言いにくいです。

 

Q3、看板の写真をホームページに (公開の美術の著作物の利用)

私は看板作成を業としていますが、街のいろいろな看板を事例として写真に撮り、ホームページに掲載することが著作権侵害になるでしょうか。

A, 看板は、筆文字やデザインなどで芸術的な個性をもったものであるなら、美術の著作物であると言えます。他人の著作物を勝手にインターネット上に載せる場合、著作権者の許諾が必要ですが、看板は屋外に設置されているという意味では他の著作物と異なった取り扱いを受けることがあります。看板は著作権法46条に書かれている「公開の美術の著作物等」に該当すると思われます。

(公開の美術の著作物等の利用)

第四十六条 美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所(つまり街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所のこと)に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。

 一 彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合

 二 建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合

 三 前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合

 四 専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合 以上

あなたは、その看板を看板としてそのまま複製するのではなく、看板を写真に撮っているに過ぎませんし、それを公衆に譲渡しているわけでもありません(インターネット上にアップロードすることは公衆への譲渡にあたらないと思われるので)。 ですから、上記の1から4には該当しない利用であると思われますので、著作権法46条によって著作権侵害にはなりません。しかし、看板の中の著作物の部分だけを切り取って、看板の写真以外のものとして利用するのであれば、この規定は該当しないと思います。

 




 

Q4、着メロの著作権 (複製権、公衆送信権(公衆送信可能化権)について)

昔の有名な歌の着メロを作ってインターネット上で無料配信することは何か問題がありますか。

A, このようなホームページは著作権者の許諾を得ていなければ権利侵害のおそれがあります。 インターネット上では、例え営利目的ではなくても、他人の著作物を勝手に利用することには慎重さを求められます。こちらから配信するだけでなく、ダウンロード可能な状態(送信可能可状態)にする行為も含まれます。着メロは一般的にはJASRACに使用料を支払い許諾を得て利用します。ただし、メロディの著作権の保護期間が経過していれば問題はありません。
(※全ての楽曲をJASRACが管理しているとは限りませんが、一度お問合わせください)

 

Q5,絵画の著作権  (誰が著作権者なのか、 著作者人格権について)

亡くなった父から相続した、ある有名な画家の絵があるのですが、ただ持っているだけではもったいないので、ホームページに掲載しようと思います。
自分が相続して手に入れた絵ですから大丈夫ですよね?


A, 「自分の絵」というのは、正確に言いますと「自分が所有権を持っている絵」ということではないですか。 「絵」には所有権とは別に著作権という権利があり、あなたのお父様が絵を購入した際、所有権と一緒に著作権を譲り受けていないのであれば、あなたはその絵の著作権者ではありません。絵の購入の際に著作権が一緒に移転しているのかどうかは個々のケースによります。ただし、こういったことはあまり意識されずに取引されていることが多いようです。

 

Q6、著作権登録 (著作権の保護、著作権譲渡、質権設定、保護期間延長、無名変名の場合、について)

著作権を登録できると聞きましたが、どこで登録するのですか? また、どのような効果があるのでしょうか?

A、 著作権は作品を創作したときに発生するのですが、もしあなたが著作者であることを否定されそうなになったときには何らかの方法でそれを証明したいと思うでしょう。
 文化庁又は財団法人ソフトウェア情報センター(コンピュータ・ソフトの場合)では著作物を公表したり、発行したりした事実などの登録制度がありますが、登録すれば自分が著作者であることが確定する、というわけではありません。文化庁での登録は「公表日」「発行日」の推定を受けることなどを目的としており、誰が著作者であるかを決定する趣旨ではないのです。また、これらの登録の根拠と異なる事実が証明されれば推定はくつがえってしまいます。

 しかし、著作権が二重に譲渡された場合には登録は重要です。あなたが第三者から譲り受けた著作権が、他の誰かにも同様に譲渡されていたとしたら、どちらが真実の著作権者として認められるのでしょうか。この場合、先に登録を受けた方が優先です。これは著作権法の規定によるものです。

 このように、著作権登録制度によって、あなたが著作者であることを直接的に証明することは難しいのですが、「誰が著作者なのか」という点でトラブルになることは珍しく、むしろ「まねたかどうか」ということの方が問題になりやすいと思います。その場合には公表日や発行日の推定を受けることには意味がある場合があります。

また、著作権の保護期間は、著作者が個人であれば著作者の死後50年間ですが、著作物を無名又は変名で公表している場合は公表後から50年間です。漫画などは変名で公表する場合が多いですが、このような場合の著作権は公表から50年しか保護されません。しかし、文化庁で実名の登録をしておけば、死後50年間の保護が得られます。

 

Q7、ネット上での音楽の利用 (音楽のインターネット利用、著作隣接権について)

私はアニメファンのHPを作ろうと思うのですが、アニメソングを電子ピアノ風にアレンジし(MIDI形式など)、BGMとして使おうと思うのですが、著作権の問題にはなりませんか。また、CDの音楽をそのまま使用するのはどうですか。


A、 まず、アニメソングの著作権者から許諾が必要ですね。 ほとんどの楽曲の著作権はジャスラックが管理していると思いますので、JASRACで手続をし、使用料規定に基づいた一定の料金を支払えば許諾されます。 ネット上での申請もできるようです。
(詳しくはhttp://www.jasrac.or.jp/。) しかし、市販CD等の楽曲をそのまま利用する場合には、もう1つ注意することがあります。音楽CDでは、作詞作曲家だけでなく、歌手や演奏者、レコード製作者も、著作権法で認められた権利を持っています。彼らを「著作隣接権者(ちょさくりんせつけんしゃ)」といいます。CDの楽曲をインターネットで利用する場合には、作詞家、作曲家の著作権者を管理するJASRACからだけではなく、レコード製作者からの許諾も必要になります。 著作権者の許諾は、ほとんどの曲についてJASRACが窓口になりますが、著作隣接権についてはJASRACに相当するような機関がありませんので、権利者を個別に探し出して許諾を求めるしかありませんし、使用料規定もありませんので、果たして許諾してもらえるかどうかはわかりません。 有名な曲のメロディーを自分でMIDI形式でアレンジした場合には著作隣接権についての処理は不要ですが、それでも著作権者からの許諾は必要です。 また、他人がアレンジしたMIDI音楽を利用する場合には、ジャスラックだけでなくMIDIの製作者からの許諾が必要です。
 

Q8、CDのジャケット(外装)のデザインをホームページで利用する場合は? (複製権について)

大好きなバンドのファンクラブのホームページを作りますが、CDジャケットをホームページに掲載してもよいでしょうか。

A、 CDジャケットの絵、デザイン、写真などは、本来は著作権者から許諾を得て利用すべきものです。映画のパンフレットや本の表紙なども同様です。たとえ非営利目的であってホームページでの掲載が自由であるわけではありません。

 

Q9、中古ビデオやゲームの譲渡(譲渡権、頒布権、映画の著作物、ビデオゲームソフト中古販売)

所有する音楽CDや映画のDVD、写真集などを、ネット上の掲示板やオークションで処分しても著作権法に触れませんか?

A、 著作権法では、映画の著作物に「頒布権(はんぷけん)」という権利があり、たとえ一度購入したものでも、公衆に対して貸したり、譲渡したりする際には著作権者である映画製作者の許諾が必要になるという見解もありましたが、ゲームソフト、ビデオソフトをめぐる裁判の結果、現在ではゲームソフト、ビデオソフトには頒布権の適用がないという考えたが主流のようです。よって、ご相談の件では、著作権法には触れないのではないかと思いますが、合法的に販売されたものでなく、違法にコピーされたものや、自分自身で私的にコピーしたものなどを販売することは著作権侵害になりえます。


 

Q10、タイトルの利用 掲示板での歌詞などの部分的使用 (著作物なのかどうか)

ホームページに好きな曲名や映画のタイトルなどを掲載するのは問題ないでしょうか。また、歌詞の一部分を掲示板の話の中で書いた場合はどうでしょうか。

A、曲名やタイトルは一般的には著作物ではありませんので著作権法での保護は受けません。ですから、好きな曲や映画のベストテンなどを作っても問題ありません。また、歌詞の一部分を掲示板やチャットの会話文の中で使用しても、よほど長文でなければ、これによって著作権者が不利益を受けるわけではないので問題にはならないでしょう。 常識的に許される範囲内であると思われます。 

 

※h15年10月 補足意見 

最近、インターネット上での歌詞の使用について、よくお問合せを受けます。歌詞の一部分を掲載するという場合に、絶対に著作権侵害にならない、とは言えません。

ちなみに、上記回答では、そのような行為が「会話文の中で使用しても、・・・・・・・・問題にはならないでしょう」。つまり、通常の会話の一部として表現される程度であれば、常識的に許される範囲だからトラブルが発生しないはずだ」という意味の回答をしたつもりです。

歌詞の全文の場合と、半分の場合と、ワンフレーズの場合。歌詞の批評の場合、歌詞を使った宣伝の場合、歌詞の販売の場合。こういった使用方法の違いで著作権者の受け止め方や経済的損失の状況が違ってくるはずです。

著作権法を杓子定規に考えてしまうと、これらすべての行為が違法となりえてしまいますが、著作権法の趣旨を含めて考えてみると、全ての行為が違法と考えるのは行き過ぎであり、インターネットが単に宣伝媒体としてだけでなく、市民の表現の場としての意味をも認めるのであれば、常識的に歌詞の使用が妥当とされる範囲があるはずです。

 

 

Q11、どこまでが複製にあたるのか (複製権について)

雑誌などに掲載された写真を見て自分で描いた絵を、ホームページで使用する場合は、写真をそのまま複製しているわけではないので、複製権の侵害にあたらないと思いますが、どうでしょうか?

A、写真をそのまま印刷したり、複写機でコピーすることは「複製」行為にあたります。「写真」を見て、その写真を「絵」として表現する場合については非常になやむところです。
 写真を「参考」にして絵を描くことは「複製」ではありません。では、「複製」と「参考」の線引きはどうするのか、というと、これは非常に難しい問題です。
 イメージ作りを助けるために写真を見たのであれば、複製ではないでしょう。他人が撮影した写真の構図を頭に思い浮かべ、それをそのまま表現した場合には、その写真の構図にかなりの独創性があれば複製にあたるという解釈も可能かもしれません。しかし現実に存在する風景や建物、人物などを絵として表現する場合には、たとえその前提として他人の写真をもとにしていたとしても、複製権侵害になるとは考えにくいです。写真をそのままそっくり再表現するような場合ならともかく、絵を描く際のタッチとか画風といったものが感じられるのであれば、私は複製権侵害にはあたらないと考えたいです。


 

Q12、レコードのCDへの変換 (著作隣接権)

昔のレコードをCDに変換する営業をはじめたいのですが、お客さんが個人的に利用するためのものですから問題ないですよね?

A,アナログレコードからデジタルCDへの変換も、著作権法上の「複製」の一種であると考えられます。そして著作権法の構成上は、全ての複製を制限した上でいくつかの例外を設ける、という仕組みになっています。  その例外としてこの場合に考えられるのは、私的使用という規定です。家庭内など限られた範囲内で使用する目的で、使用する者自身が複製をする場合には、著作権者の許諾を必要としません。他人が使用する目的で著作物をコピーする場合は私的使用にあたりませんので許諾が必要です。 では、他人がコピーをするために複製機器を一時的に貸してあげる、というのはどうでしょう。実は、著作権法30条の1項で、公衆が使用する目的で設置されるコピー機での複製は、文書と図画に限り(当分の間だけ)私的使用にあたらない、ということになっています。ですから、コンビニのコピー機によるコピーはかろうじて合法ということになります。しかし音楽は文書や図画ではありませんから公衆用コピー機でのコピーができません。つまり、どのような解釈をさがしても、ご相談のような営業における複製は著作権者からの許諾なしにはできないということです。
 しかし、古いレコードを聞きたいと思っても今どきレコード再生機器が売っていませんし、自分でCDへ変換する機械も容易に手に入りません。こういうことならば、第三者が有料でコピーしてあげるサービスがあってもよいのではないかという気がします。

 

 

Q13、美術館で撮影した写真 (保護期間について)

美術館で撮影したレンブラントやモネなどの絵画の写真をホームページの中で掲載したいのですが、著作権法違反でしょうか。 

A,レンブラントもモネも、すでに死後100年以上も経ってますよ。日本の著作権法では、著作者が死亡してから50年を経過すると、その作品の著作権が消滅します。つまり著作権法上は、これらの絵画の写真をホームページに掲載しても著作権侵害にはならないということになります。だからといって、美術館で写真を撮影することが自由であるというわけではありません。美術館が入場者に入場させる際の条件として絵画の撮影を禁止していることもありえます。これは入場際の当事者同士の契約の問題です。

 

 

Q14、塾のテキストでの試験問題の利用 (複製権)

塾のテキストを作りたいのですが、国立大学の試験問題を挿入しようと思います。著作権の問題はありますか? 

A, 余談ですが、国立大学の試験問題の中に作家の論説や小説等を使用する場合には、その作家からの許諾がなくても構わない、という規定があります。そして大学が作った試験問題は著作物であると考えられます。
 ただし、数式や短答式の問題の場合は、どうしても似たような内容になりがちですので、保護に値しない場合もあるでしょう。仮にその試験問題が著作物であるとして、それをテキストに掲載して販売するのであれば著作者からの許諾が必要です。
 この場合の著作者は、試験問題の作成者はもちろん、問題に挿入されている著作物(小説や論説など)があれば、その著作権者も含まれます。塾や予備校は学校教育法でいう学校や教育機関に当てはまりませんし、私的使用でもありませんので、教育目的であってもやはり許諾は必要です。

 

Q15、保護期間が終了した作品の音楽CD (保護期間、著作隣接権について)

保護期間が終了している作品ばかりを集めたクラシックCDの音楽を無許諾で店内放送しようと思いますが、営利目的でも問題ないでしょうか?

A,その作品の作曲者が50年以上前に死亡していれば、その作品を利用する際に著作権者からの許諾を要しません。しかし、このようなクラシックCDの音楽の場合、作曲家の権利は保護期間が終わったとして、演奏した人たち(著作隣接権者たる実演家)の権利や、レコードの原版の権利者(著作隣接権者たるレコード製作者)の権利があり、利用の際にはこのような人たちからの許諾が必要です。 楽譜の著作権と演奏の原版の著作権は別々に考える必要があるのです。

 

Q16、似てしまった写真 (著作物の本質)

機関車が好きで機関車の写真をある雑誌に掲載したのですが、ある人が、私がその人の作品を真似たという理由で苦情を言ってきました。確認したところ、確かにその人の写真とそっくりでしたが、間違いなく私の作品は私が撮影したものです。このような場合でも私には何か責任があるのでしょうか?

A, 著作物は「思想感情を創作的に表現したもの」、という定義があります。そして、他人の表現をまねて同じ表現のモノをつくることを、「複製」「コピー」などと言ったりします。あなたが雑誌に掲載した写真は、あなた自身が撮影した写真で あって、しかも撮影するときに、他人の著作物と同じ表現の写真を作るつもりでは無かったのであれば、あなたが他人の著作権を侵害したことにはなりません。
 しかしながら、他人から見ると、表現があまりにも似ている場合には、例えあなたが潔白であっても、なかなか身の潔白を証明することが難しいこともあります。万一裁判所であらそったときには、あなたの主張と相手の主張と、どちらを裁判官が信じてくれるか、ということで結果が変わります。
 例え真似るつもりがなくとも、偶然にそっくり似てしまうことはありえます。汽車の写真などの場合、かっこよくみせるための技術や構図などは、技能が洗練された人同士では、どうしても共通する部分が出てきてしまうでしょう。悪気がなくとも偶然に似てしまう可能性があるような、ありふれた表現は、創作性に欠けるという意味で著作権法では保護されないものと考えられます。

 

Q17、本の表紙のネット掲載 (誰が著作者か)

インターネット上で本を販売していますが、本の表紙をホームページに掲載したいと思います。その本を売るためなので問題ないと思うのですが? 

A,本の表紙の著作者は表紙のデザインを作ったイラストレーターです。ですから、本の中身である文章と表紙の挿絵とは別個に考える必要があります。確かに売上が伸びるのは本の著作者にとってはうれしいことでしょうが、だからといって無許諾で利用していいというわけではありません。表紙をネット上で利用するのであれば、法的には、表紙の挿絵の著作権者から許諾を得る必要があります。音楽CDのジャケットの場合も同様です。 実際に出版社がクレームをつけてくるということはあまり聞いていません。法律と実情とは、かけはなれていることが多いものです。

 

Q18 死亡記事の無許諾配信は違法なのか(著作物の定義)

非営利で、地域のための情報を発信するメールマガジンを運営していますが、その中で、ある新聞社の死亡記事を抜粋してメールマガジン上で掲載していたところ、新聞社から苦情が来ました。これは著作権侵害になりますか?

A、ポイントはその死亡記事が著作物であるかどうか、ということです。死亡記事は死亡した人の名前、死亡や葬儀の日時、場所、死因などの事実を並べただけでのものであれば、思想感情を表現したものとは言えませんので、著作物ではありません。
 よって、たとえ営利目的であっても、メールマガジンに掲載することは著作権法の問題になりません。但し、死者に対する哀悼の意や、生前の様子などは思想感情の表現にあたりえますので、死亡記事が全て著作物にあたらないとは言えません。また、単なる事実の寄せ集めであっても、その編集によってできあがった集合体を編集著作物として保護することがありえます。
 新聞社の死亡記事の書き方が無作為で、編集方法に創作性がないのであれば著作権侵害にはならないでしょう。

 

Q19  ニュースを要約しての利用(翻案権)

ニュース記事をホームページに掲載したいと思うのですが、記事をそのまま使用するのは著作権侵害になりそうなので、要約したものを掲載しようと思います。これなら大丈夫だと思うのですが、どうでしょう。

A, ニュース記事も著作物です。記事をそのまま利用するのは、もちろん許諾を要しますが、要約したり手を加えたりしたものなら勝手に利用して良いということにはなりません。なぜなら、たとえ手を加えたとしても、他人の著作物を元にしているわけで、「ただ乗り」したことには変わりませんよね。要約は著作権法上の「翻案」にあたると思います。翻案権という権利が存在するのです。ただし、何を元にして翻案したのかがわからないような翻案であると、実際には問題になりえないでしょう。また、単純な事実のみであれば、それは著作物にはなりません。事実を取りまとめて表記するだけであれば、著作権侵害にはならないでしょう。

 

Q20、レコード盤をCDに複製(私的使用について)

レコード盤の楽曲をデジタル化してCDにコピーしてあげるサービスを行おうと思います。 レコード盤のプレーヤーが壊れてしまい困っているという人が増えているので、実費分しか料金をいただかないでコピーしてあげるつもりです。お客さんの音楽をお客さんが自分で聞くためにコピーするのだから法律的に問題はないと思うのですがどうですか?

A, 最近はレコード盤用のプレーヤーを見かけなくなりました。古いレコード盤を聞きたいのに聞くことができないで残念な思いをしている人は多いかもしれませんね。自分が聞くためにCDへのコピーを頼むのだから法律的には問題なさそうに思われるかも知れませんが、権利者から許諾をとらないでコピーすると著作権侵害になってしまいます。確かに著作権法30条で私的使用の規定がありますが、これは使用する本人がコピーを行う場合の話でして、他人のためにコピーする際には許諾が必要なのです。 しかも、音楽をコピーする場合は、著作権者(JASRACなど)からの許諾だけでなく、著作隣接権者(レコード製作者)からの許諾も必要です。JASRACでは複製の許可を求めれば許諾してくれますが、レコード製作者はJASRACのような管理機関がありませんから、コピーするについて各レコード製作者(たいていはレコード会社)から個別に許諾を得なければなりません。しかし、おそらくほとんどのレコード会社は許諾をしてくれないでしょう。ですから、残念ながらこのようなサービスの提供は、たとえ無償であっても、また許諾を得て行うつもりでも、現状では事実上不可能と思われます。とても残念なことですし、このような場合まで違法になるのは喜ばしいことではありません。

 

Q21、料理のレシピは著作物なのか(著作物とは何か)
料理のホームページを運営していますが、他のサイト管理者から「無断利用」であると警告を受けました。私は決して真似をしたつもりはありませんが、調べてみると確かによく似ています。どうしたらよいでしょう?


A, 最近よくある相談ですが、料理のレシピは著作物にあたるのでしょうか。レシピは「こうすればこういう料理ができますよ」というノウハウが書かれています。ノウハウは保護されませんし、著作権法で保護されません。しかし、レシピを文章や絵として表現したものは著作物です。レシピを文章にした場合、よほど手の込んだ料理でなければ、意図していなくともある程度は他人の文章表現と似てしまうでしょう。わざと表現を真似したのでなければ著作権侵害にはなりませんし、たとえ真似されたとしても、創作性が低い(例えば、偶然に似てしまう確立が高いような場合)作品は保護されないと考えられます。ケースにもよるでしょうが、料理のレシピの場合、著作権を主張できない場合が多いのではないかと感じます。 その表現ごとに検討しなければなりませんから、レシピだから著作物ではないとかあるとか、そういったことは言えないのです。しかし、ホームページ全体の構成をそっくり真似るといった場合には、著作権の問題になりえます。

 

Q22、地図の著作権と私的使用

 市役所で備え付けの地図をコピーしようとしたら、著作権法を理由に職員に拒否されてしまいました。 私的使用のつもりなのに、どうしてコピーさせてくれないのでしょうか?

A,地図をコピーする目的にはいろいろあるでしょうが、役所でのコピーの場合は、役所に提出する書類の一部として使用する場合が多いでしょう。もし道に迷ったりした人が、自分が見る目的でコピーするのであれば私的使用にあたると考えられますが、役所の職員の側からは、真実の目的が何なのかがよくわかりませんから、コピーを自由にしてしまうと、場合によっては違法なコピーに手を貸してしまうこともありえます。そこで、無難な対応としては一切のコピーを認めない、という判断もでてくるでしょう。お役所的といえばそうかもしれませんが、法律を厳密に守ろうとするとこのようになります。地図をコピーさせるかどうかは、その地図の管理をしている役所が判断することです。しかし、地図を制作した会社がそこまで期待しているかどうかはわかりませんね。

 

Q23、名前は著作物なのか

テレビドラマの登場人物、地名などの名前を、カタカナ表記で使用する場合(ホームページのタイトルも含めて)、著作権法にかかりますでしょうか?


A,テレビドラマのタイトルをホームページの見出しのタイトルとして使用することは、著作権の問題にはなりそうにありませんが、商業利用の場合には商標法や不正競争防止法での違法を問われる可能性はゼロとは言い切れません。名前は通常は著作物だとは考えにくいですが、使用の仕方によっては他の法令上の問題になる恐れがあるのです。

 
Q24,肖像権のこと
カメラ付携帯電話で撮影した他人の顔を知り合いに送るのは何か問題がありませんか?


A,自分が撮影した写真の著作権は撮影者であるあなたにありますから、それを他人に送っても著作権の問題にはなりません。しかし、撮影された人は肖像を勝手に配信されたら不愉快かもしれません。肖像権のことを考えると、勝手に他人の顔や姿を撮影することには一定の配慮が必要です。撮影の際には本人の許諾を得るようにしましょう。